自己破産とは~自己破産後の生活

自己破産とは

裁判所に対して破産申し立てを行い(破産申立書の提出)、借金返済が不可能であると認められ(免責許可)、一定以上の価値のある財産を差し押さえすることで、税金等を除くすべての債務が免責(借金の支払い義務を免除)されるという手続きのことです。

自己破産

一定以上の価値のある財産とは、最低限の生活をするために必要なものを除く、20万円(現金なら99万円)を超える財産のことで、現金に換えて債権者に支払われます。一般的な生活をするのに必要な預貯金など20万円(現金なら99万円)以下の財産は、自己破産後の生活のため残すことができます。

保証人でない限り、家族に迷惑がかかることはありません。家族に影響が及ぶことはなく、普通に生活できます。家族がローンを組めなくなるという心配もいりません。

また、自己破産の手続きには、「管財事件」と「同時廃止」の2種類があります。

管財事件とは

最低限の生活に必要な財産以外(20万円(現金なら99万円)を超える財産)の財産を所持している場合や、免責不許可事由に該当する場合は、管財事件と呼ばれる自己破産の手続きの方法になります。

この場合、裁判所から破産管財人が選任され、債務者の資産を調査し、20万円(現金なら99万円)を超える財産を管理、売却し、債権者への返済に充てます。
債権者への財産の配分が済み、裁判所に免責が認められると自己破産の手続きが完了します。

これが管財事件です。

免責不許可事由とは

免責不許可事由とは、破産法第252条第1項によって定められている法律で、これに該当する場合、裁判所は借金(債務)の免責を許可しない(免責不許可)判決をすることができます。

免責不許可事由に該当する場合

➀財産を隠したり、壊したり、債権者に不利益な処分や、価値を不当に減少させるような行為

②自己破産の手続きの開始を遅らせるために、著しく不利益な条件で債務を負担したり、信用取引で商品を買い入れて、著しく不利益な条件で処分する行為

③特定の債権者に対して返済を行い、他の債権者に不利益を与えるような行為

④浪費やギャンブルによって著しく財産を減少させる、または、過大な債務を負担するような行為

⑤自己破産の手続開始の申立て日の1年前の日から、破産手続き開始決定があった日までの期間に、破産手続き開始の原因となる事実があることを隠して、借入したり、財産を取得する行為

⑥業務及び財産状況に関する書類等を隠したり、偽造する行為

⑦裁判所に偽りの債権者名簿を提出する行為

⑧裁判所が行う自己破産手続きの調査において、説明を拒否したり、偽りの説明をする行為

⑨破産管財人、保全管理人またはその代理人の職務を不正に妨害する行為

⑩以下(イ)~(ハ)のいずれかの場合において、定められた日から7年以内に免責許可の申立てがあった場合
(イ)免責許可の決定が確定した日
(ロ)民事再生法に規定される給与所得者等再生における再生計画の認可の決定が確定した日
(ハ)民事再生法に規定される再生計画の認可の決定が確定した日

⑪破産法によって定められる義務に違反する行為

少額管財事件とは

管財事件は、手続き終了までに、長期間必要で、費用も高額(自己破産の際に裁判所に納める予納金も最低50万円)になり、債務者にかかる負担も相当なものになります。
このため、短期間に終了できる見込みのある管財事件の場合、「少額管財事件」という制度を利用することで、手間や予納金を抑えて(最低20万円)手続きを迅速に進行することができ、期間も大幅に短縮することが可能になります。

債務者本人が申立てできる管財事件に対して、少額管財事件は、破産申し立てを弁護士(代理人)がすることが条件です。

同時廃止とは

自己破産手続きをするとき、生活に必要最小限の財産しかなく(20万円(現金なら99万円)を超える財産がなく)、裁判所が借金の返済が不可能であると認めた場合、破産手続き開始決定と同時に破産手続きが終了し、免責が確定し、借金を返済する必要がなくなります。

これが同時廃止事件です。

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自己破産後の生活~自己破産するとどうなる?

自己破産手続きを行い、借金が免責された後は、債務がゼロの状態で生活を再スタートすることができます。

しかし、自己破産すると、自己破産後の生活に最低限必要な財産以外の財産を失うことになります。

自己破産後に失う財産

自己破産で失う財産は以下のものです。

◆99万円以上の現金
◆20万円以上の預貯金
◆自己破産申請者名義の不動産(家・土地など)
◆20万円以上のゴルフ会員権・株券などの有価証券
◆20万円以上の解約返戻金がある生命保険
◆20万円以上の査定が付く自動車
◆一定の利率(裁判所により利率が異なる)をかけた金額が20万円以上の受給予定の退職金

このように、自己破産後には、ほとんどの財産を手放すことになります。

また、自己破産手続きをして免責許可が下りてから5~10年間はブラックリストに載ることになります。

ブラックリストに載るとは、

各債権者が加盟しているCIC、JICC、KSCなどの信用情報機関に事故者として登録されることです。

ブラックリストに載ると、信用情報機関に加盟するすべての金融機関(貸金業者等)が情報を共有することができるようになり、借入することができなくなります。

住宅ローンやマイカーローンを組むこともできなくなります。
クレジットカードの発行や利用もできなくなります。
そのため、カードでの分割払いや支払いも出来なくなるのでかなり不便な生活になることでしょう。

このように、自己破産後は、収入の範囲内で現金で生活しなければいけなくなるのです。

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自己破産後、借り入れ可能になるのはいつ?

自己破産でブラックリストに載っている期間は、

KSC(全国銀行個人信用情報センター)・・10年
CIC(指定信用情報機関)  ・・・・・・・・7年
JICC(日本信用情報機構) ・・・・・・・・5年

で、この期間は、基本的に一般の金融機関から借入することはできません。
この期間を過ぎると、事故情報が削除されるので、借り入れが可能になります。

しかし、自己破産時に、借金が免責になった金融機関は、社内で貸出禁止扱いになっているので、他の金融機関に借入の審査を申し込むことになります。

中には、ブラックリストに載った状態でも借り入れ可能な金融会社もありますが、後々の取り立ての厳しさ等を考えると絶対に取引しないほうが賢明です。

自己破産後から7年間は、ヤバイ筋からお金を借りて、返済不能になっても再度免責を受けることはできないので注意が必要です。

さらに、破産管財人が選任されるような管財事件(上記のような財産を所有している場合や、浪費やギャンブルで借金地獄に陥ったなど免責不許可事由に該当する場合)になった場合、自己破産の手続きが終了するまで、長期間の旅行や引っ越しをする時には、裁判所に許可を求めることが義務付けられます

自己破産や個人再生(民事再生)をすると、官報と言って、国の機関誌にも記載されることになります。

官報に記載されると、

紙媒体やインターネット上で見ることができるので、

「自己破産したことが世間にバレる」

可能性が出てきます。

一般の人で、官報をチェックしている人は少ないかもしれませんが、貸金業者はチェックしています。中には企業も採用時にチェックしているところもあるようです。

どこで、どのように自己破産したことがバレるかわかりません。
後々自己破産したことがバレると、大きなトラブルを招くケースも多いので、自己破産したという事実を無理に隠そうとするのではなく、必要に応じて知らせておくことでトラブルを未然に回避することができます。

親しい人間関係の人には知らせておくことで、自己破産後の生活における気持ちが少し楽になることも多いようです。

また、自己破産の手続きをすると、手続き開始決定から免責許可の決定まで3~6か月程度職業や資格が制限されます。

制限を受ける職業や資格

・社会保険労務士      ・宅地建物取引責任者    ・弁護士
・司法書士         ・不動産鑑定士       ・税理士
・保険の勧誘員       ・有価証券投資顧問業者   ・公安委員会委員
・建設業者         ・古物商          ・質屋
・公認会計士        ・公証人          ・行政書士
・株式会社や有限会社の役員 ・保証人          ・代理人
・後見人          ・遺言執行者

など

上記のような職に就くことはできなくなり、資格も制限されます。

「職を失くして、収入が得られなくなった!」

そんな時、生活保護を受給することが考えられると思います。

「自己破産後に生活保護を受給することは可能なの?」

と疑問に思う人も多いようですが、自己破産と生活保護は無関係ですので、自己破産後でも生活保護を受けることは可能です。

生活保護は居住地の福祉事務所で申請することができます。ただ、借金が残っていたり、自己破産の手続きの途中だと生活保護の申請が通らない場合があるので、自己破産の手続きを弁護士や司法書士に依頼した場合、生活保護の申請も合わせて相談するとよいかもしれません。
自己破産後には、借金がゼロになる代わりに、上記のように不便な生活が待っています。
今後のあなたの人生において、自己破産という選択肢をとるのも1つの方法です。

借金問題を解決するために、他にもっと良い債務整理の方法がないか、検討してみるのも一つの方法だと思います。

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